注文住宅とは?建売との違い・メリットデメリット・費用目安をプロが解説

・「注文住宅や建売住宅ってあるけど、何が違うの?
・「価格はどれぐらい変わるの?」
・「わたしにはどっちが向いているの?」

家づくりを始めると、このような疑問を思ったことはないでしょうか?

特に、
初めて家を建てる
子育て中
共働き
情報収集の時間がない

という条件が重なると、調べる手間だけで一苦労です。

この記事では、住宅業界で10年以上・延べ1万戸超の家づくりに関わってきた立場から

  • 注文住宅と建売住宅の違い
  • 注文住宅のメリット・デメリット
  • 費用の目安
  • それぞれ向いている人の特徴

を分かりやすく解説します。

この記事を書いた人:芳山(編集長)

ハウスメーカーや建材商社で働き、住宅・建築業界で10年以上、全国の10,000戸以上の家づくりを支援してきました。
「家づくりの迷いや不安をなくし、後悔しない判断をしてほしい。」をモットーに、現場でしか見えない“本音の情報”と“住宅の仕組み”を発信しています。

目次

注文住宅とは?住宅タイプ別メリット/デメリット

注文住宅とは、一言でいうと

”自分たちの希望に合わせて家をつくる方式”のことです。

家の形、間取り、設備、素材、デザイン、性能などを自分たちの暮らしに合わせて選べます。
注文住宅にも種類があり、「フルオーダー住宅」「セミオーダー住宅」「規格型住宅」の3種類に分かれます。

フルオーダー住宅とは

完全自由設計の注文住宅のことをいいます。

住宅の外観、形状、間取り、設備や構造、断熱性能まで、ほぼ全ての仕様を自分たちで自由に決めていくスタイルです。

自由に決められる分、打ち合わせの回数も多いため、住宅の完成までの期間が長くなるケースが多いです。また、セミオーダー住宅や、規格住宅と比べると建築コストも高くなります。

セミオーダー住宅とは

住宅会社によりますが、多くの場合はデザインや間取りの部分は自由に決められますが、キッチンやお風呂、フローリングやドアといった設備や建材の一部は、あらかじめ住宅会社が用意したものから選ぶ必要があります。メーカーや商品は指定されることが多いですが、色柄は好きに選べることが多いです。

価格もフルオーダー住宅より安く、規格住宅よりは高い、いわば中間の位置の存在です。

家づくりに時間をかけられない共働き世帯の方は、ある程度仕様が決まっているセミオーダー住宅を選ぶ方も多いです。

規格型住宅とは

デザインや間取りが決まっていて、設備や建材も住宅会社が指定したものから選ぶスタイルです。

当然、フルオーダー住宅やセミオーダー住宅よりも自由度は低いですが、最近は住宅会社も多種多様なパターンを用意しているため、好みのスタイルの家に仕上げることもできます。

建築コストも安く、施工期間も短いため、設備などにこだわりがない方におすすめですが、本来必要ないと感じている設備まで標準搭載されている場合もあります。

芳山編集長

建築費用が高騰している現在は、「セミオーダー住宅」「規格型住宅」の人気が高まっています!

建売住宅とは?メリットと注意点

建売住宅とは、土地と住宅をセットで販売する方式で、建物はすでに完成している、もしくは完成を前提に販売される住宅のことです。

似た言葉に「分譲住宅」というものがあります。「分譲住宅」は大規模な土地を開発し、複数の住宅をまとめて販売しています。「建売住宅」は1戸建ての土地に個別に家を建てて売ることが多いです。「分譲住宅は建売住宅の一種」 と考えてください。

建売住宅の特徴は?

建売住宅はすでに完成した(または完成予定)住宅を購入するため、自分で住宅会社を探したり、設備を選んだりすることは基本的にはなく、打合せや手続きなどに時間を取られずに住宅を購入することができます。

また、なんといっても注文住宅に比べて価格が安いというメリットがあります。

その理由は建売住宅を販売する住宅会社は年間に何十棟、何百棟と似た仕様の住宅を建築するため、設備や建材を大量に安く購入することができることに加え、分譲住宅の場合は何棟も同時に施工することができ、大工などの人件費を抑えることができるからです。

さらに、実際に完成した住宅を見ることができることも建売住宅の特徴です。

現在は、注文住宅でも高精度のCGによって完成イメージを確認できるようになりましたが、それでも実際に自分の目で確認できる建売住宅の方が、【音】【景色】も体感でき、リアルに暮らしをイメージできると思います。

ただ、販売価格を低く設定するため、耐震性や断熱性能などは、最低限の基準になっていることが多いので購入時はその点をしっかり確認しましょう。

芳山編集長

建売住宅でも、【耐震等級3】【断熱性能等級6以上】の物件は、注文住宅レベルの性能を持っているといえるよ!

注文住宅建売住宅
価格幅がある・高め割安
住宅会社(ハウスメーカー)好きな会社を選べる選べない
間取りや設備自由に決められる固定
住宅の性能自由に決められる必要最低現の場合が多い
イメージとのギャップイメージと違う場合がある完成済みのためギャップがない
場所(土地)自由に決められる決められない
住むまでの時間9~18か月程度即入居~数か月
手続き土地と建物それぞれで手続きまとめて手続きてきる

建売住宅を理想のイメージに近づけよう!

芳山編集長

予算の関係から、【建売住宅】しか買えない。理想の家とは程遠い。

そんなお悩みの方に私からのおすすめの方法を紹介します。

それは、建売住宅を購入後、入居前にリフォームをしてしまうこと。

リフォームというと、設備を変える、外壁と塗り直すといった ”古いものを交換する”というイメージが強いと思いますが、そんなことはありません。

新築でもリフォームしていいんです。

入居前に行うことで余計な工事費や家具が汚れる心配がないこともメリットです。

壁紙の色やデザインを変える、リビングにカウンターを付ける。寝室にちょっとした棚を付ける。

自分で選んだものが少しでもあると、結構うれしいものです。

注文住宅のメリット

注文住宅の最大の魅力は、暮らし方に合わせて家を設計できる点

子育て世帯であれば、


「玄関にベビーカーを置きたい」
「キッチンから子どもの様子を見たい」
「洗濯を一階で完結させたい」


といった、日々のストレスにつながる細かな悩みを解消することができます。
暮らしに家を合わせることができるのが、注文住宅の本質的な価値です。

住宅の性能を選べる

断熱性能や気密性能、窓の仕様や換気方式といった住宅の性能は、冬の寒さや夏の暑さだけでなく、健康や光熱費、将来の資産価値にも影響します。

建売住宅は標準仕様が固定されているケースが多いのに対し、注文住宅は断熱等級6や7、高性能サッシ、第一種換気システムなどの仕様を選択することで、より快適な住環境をつくることができます。

さらに、性能や仕様を選択できることは資産価値にも影響します。

近年は、省エネ性能や耐震性能が査定で評価される動きがあり、断熱等級やZEH、長期優良住宅といった性能が中古市場でプラスに作用するケースも増えています。

単なる“建物の価格”ではなく、“価値の維持”という視点でも注文住宅は優位性を持ちます。

間取りを調整しやすい

人生の変化に合わせて間取りを調整しやすい点もメリットです。

子どもが成長すれば部屋を分けたいこともありますし、在宅勤務が増えればワークスペースが必要になる場合もあります。

将来的に二世帯化やバリアフリーを検討することもあるでしょう。

注文住宅であれば、変化に対応できる余地をあらかじめ設計に取り入れることができます。

注文住宅のデメリット

完成まで時間がかかる

注文住宅は建売住宅と比べて検討から完成までのプロセスが長くなる傾向があります。

土地探し、設計、申請、施工、引渡しまでの工程を踏むため、短くても8〜12か月、1年半以上かかることも珍しくありません。

特に共働きの家庭では、時間的な負担が大きくなりやすい点は理解しておく必要があります。

決めることが多い“仕様決め疲れ”

自由度が高いことによる意思決定の多さも負担につながることがあります。

素材や設備、仕上げ、収納、照明、外構など、細かな仕様をひとつずつ選ぶため、途中で「決めることが多すぎて疲れる」と感じてしまう方もいます。

これは業界内では“仕様決め疲れ”とも呼ばれ、注文住宅特有の悩みといえます。

芳山編集長

家づくりに疲れてしまって、最後の方は妥協するなんて方もいらっしゃいましたが、できれば完成まで理想を追い続けてほしいです

注文住宅と建売はどれくらい費用が違う?

「注文住宅は高い」「建売は安い」というイメージがありますが、実際どれほど違うのかをみていきます。

ここでは住宅金融支援機構が発表している「フラット35利用者調査(2024年度)」を参考に、両者の費用感を数値で比較していきます。この調査は実際に住宅を取得した家庭のデータを集計しており、実態に近い情報といえます。

平均費用で見る違い

住宅金融支援機構の『フラット35利用者調査(2024年度)』によると、住宅取得にかかった総額(所要資金)の全国平均は以下の通りです。

住宅の種類平均所要資金平均床面積平均坪単価
注文住宅(土地も購入)5,007万円111.1㎡149.1万円
建売住宅(土地付き)3,826万円100.7㎡125.7万円

調査によると、注文住宅は建売住宅より1,181万円高いことが分かります。

ただし、そもそもの平均床面積も異なるので、見るべき指標としては、平均坪単価です。

坪単価平均でみると、注文住宅の方が建売住宅より23.4万円高いことが分かります。

なぜ費用差が生まれるのか

注文住宅が高くなりやすい理由は、単に「高級志向」だからではありません。

費用差の理由は

  1. 立地条件による違い
    →条件の良い土地は価格が高くなる傾向があります。
  2. 性能・仕様による違い
    →注文住宅の方が、断熱性能・気密性能・耐震性能や設備・仕様のグレードが高いことによる違い
  3. 間取りの自由度
    →注文住宅は自分の暮らしやすさを求めるため、費用が高くなる傾向があります。
  4. 住宅会社のブランドによる違い
    →人気のハウスメーカーなどはブランド力があり、そのハウスメーカーで建てたこと自体に価値がある場合があります。

によるものと考えられます。

一方で建売住宅は

  • 仕入れの効率化
  • 同一仕様の大量施工
  • 設備の大量発注
  • 設計の共通化
  • 工期短縮
  • 回転率の確保

により、価格を抑えられるビジネスモデルになっています。

建売住宅は、安く誰でも住みやすい住宅を提供することを目的としているのに対し、注文住宅は建てた人が理想の暮らしができる住宅を提供することを目的としていることが分かります。

決してどちらが良い・悪いという議論ではなく、両者はそもそも“役割が異なる商品”ということです。

芳山編集長

私の印象ですが、注文住宅は建築業界の商品、建売住宅は不動産業界の商品と、そもそもの業界が違うと感じています。

費用だけで判断して後悔する理由

家づくりは金額が大きいため、どうしても価格だけで比較しがちですが、住宅は“買って終わり”ではありません

実際には以下の費用項目が長期に影響します:

✔ 光熱費
✔ メンテナンス費
✔ 修繕費
✔ リフォーム費
✔ 売却価値

例えば性能が低い住宅は光熱費が高く、性能が高い住宅は売却価値が残りやすい傾向にあります。

これが近年、国が断熱等級やZEHなどの制度を整備している理由でもあります。

性能と制度 ― 国はどんな住宅を求めているのか?

住宅を比較する際に、最も見落とされやすいのが「住宅性能」と「制度」の話です。

「デザイン」「間取り」「価格」は目に見えやすい要素ですが、本来の住宅の質を左右するのは断熱性・気密性・換気・耐震・エネルギー効率などの“見えない部分”です。

特にここ数年で国の政策は明確に変化しており、住宅は“建てて終わり”ではなく、“ランニングコストと価値が残る資産”として扱われる方向に移行しつつあります。

この動きは少子高齢化・省エネ政策・環境政策・財政負担の観点から見ても逆戻りする可能性は低く、むしろ加速することが予測されます。

断熱等級とエネルギー性能の基準化

2022年以降、住宅の断熱性能は段階的に引き上げられています。

国は住宅の断熱性能を以下のように区分しています:

断熱等級 4 → 5 → 6 → 7

断熱等級とは住宅の断熱性能を示す指標で、「断熱等性能等級」とも呼ばれ、等級数字が大きいほど断熱性が高く、省エネで快適な家であることを示します。

現状のトレンドは以下の通りです:

  • 等級4:現在の標準(最低限のレベル)
  • 等級5:ZEH相当
  • 等級6:先進レベル
  • 等級7:北海道レベルの高断熱層

なお、2030年にはZEH相当が標準(最低限のレベル)となる予定です。

芳山編集長

注文住宅断熱等級6以上が主流で、建売住宅はまだまだ断熱等級4の住宅が多い印象があるよ!

注文住宅と建売住宅はどんな人に向いている?

家づくりで最も悩ましいのが、「結局どちらが自分たちに合っているのか」という点です。

価格や性能の違いだけではなく、時間の使い方、家族の価値観、暮らし方、ライフステージ、将来の変化など、複数の要素が絡むため、単純に優劣で決められる話ではありませんが私なりに考えてみました。

注文住宅が向いている人

注文住宅は「暮らしに合わせて家を最適化したい」家庭に向いています。

特に子育てや共働きの家庭には、日常の動線や収納の不足がストレスにつながりやすく、建売の間取りが暮らしにフィットしないことがよくあります。

例えば、

  • ベビーカーの置き場がない
  • 洗濯を1階と2階で移動する
  • 乾いた洗濯物の収納先が遠い
  • キッチンに物が溢れやすい
  • リビング学習のスペースがない
  • 来客と家族動線がぶつかる
  • 部屋数が将来の成長に合わない

注文住宅はこれらをなくし、

家事や子育てのストレスを構造的に減らす

ことが可能です。

また、性能や将来性の観点から見ても、

  • 在宅勤務
  • 二世帯化
  • 子どもの独立
  • 介護負担
  • 老後の住みやすさ

といった変化に対応しやすい点は大きなメリットです。

まとめると注文住宅が向いているのは、

✓ 暮らしの質を上げたい人
✓ 性能にこだわりたい人
✓ 子育て導線を最適化したい人
✓ 将来の変化に対応したい人
✓ 土地を自分たちで選びたい人
✓ ライフステージの変化を見据える人

です。

建売住宅が向いている人

一方で建売住宅は、「手間をかけず、できるだけ早く、わかりやすい形で家を持ちたい家庭に向いています。

建売の特徴は、

スピード × 明確な価格 × 選択のシンプルさ

にあります。

実物を見て判断できるため、住宅の購入が初めての人にとっては精神的負担が小さく、予算も組みやすいというメリットがあります。

特に

  • 転勤や入学など時間制約がある
  • 家づくりに強いこだわりはない
  • シンプルに“新築一戸建て”が欲しい
  • 一刻も早く持ち家を持ちたい
  • 資金計画を安定させたい

といったニーズには非常に合致します。

また、土地・建物・外構がほぼセットになっているため、注文住宅よりも検討項目が圧倒的に少なく、共働き世帯では意思決定の負担が軽くなります。

ただし、間取りや収納、性能の水準については物件によって差が大きく、「暮らし方」との相性を見極める視点は重要です。

“予算”だけで判断すると後悔しやすい理由

住宅は高額なため、多くの家庭は価格から比較を始めます。

しかし、価格比較だけで方式を決めると後悔しやすいのも事実です。

その理由は、住宅には

初期費用(建築費)だけでなく、ランニングコストと将来の価値

が存在するからです。

  • 光熱費
  • メンテナンス費
  • 修繕費
  • リフォーム費
  • 住宅の価値残存
  • 売却価格
  • 健康影響

という“見えない費用”を含めてよく考える必要があります。

まとめ ― あなたにとって最適な家とは?

家づくりでは「どの家が良いか」という問いよりも、「自分たちの暮らしに合う家はどれか」という問いの方が本質的です。

注文住宅と建売住宅は同じ“家”というカテゴリに見えますが、実際には目的も価値軸も異なる商品です。

注文住宅は、暮らしに合う家を“つくる”方法であり、建売住宅は、完成している家を“選ぶ”方法です。

どちらも正しい選択肢であり、どちらにもメリットとデメリットがあります。

また、価格だけで比較すると注文住宅が高く見えますが、面積・性能・将来性・光熱費・資産価値などを含めて考えると単純な比較ができないこともわかってきます。

動線や収納、家事のしやすさは見た目以上に暮らしの満足度を左右し、性能は光熱費や健康、将来の資産価値にも影響します。

今だけでなく、未来の家族像や働き方、老後や資産の観点も含めて選ぶことで、後悔のない家づくりに近づいていくと思います。

住宅のプロの本音(編集後記)

この記事では、【注文住宅】と【建売住宅】の違いを書きました。
どちらも一長一短ありますが、どちらにも共通することとして、個人的には住宅の性能を重視してほしいと強く願っています。特に、耐震等級3、断熱等級6以上の住宅に暮らしてほしいです。住んだあとから耐震補強や断熱性能を上げるリフォームもできますが、莫大な費用がかかります。最初から地震に強い家で夏は涼しく、冬はあたたかいそのような住宅にみなさまが暮らしていくことを心より願っています。。

ともだちにも教えよう!
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