注文住宅の価格はいくら?坪単価と総額の関係をわかりやすく解説!

「注文住宅って結局いくらかかるの?」

家づくりを考え始めると、誰しもが必ずといっていいほどこの疑問にぶつかります。

家づくりを検討し始めた時は、住宅会社の広告やカタログに書かれた金額を見ながら
「このくらいの予算で建つんだな」と思いますよね。
しかし、実際に話を聞いたり見積もりを取り寄せたりしてみると、最初に想像していた金額と大きく異なることに気づきます。

その理由は、ずばり「建物本体の費用だけだから」からです。

芳山編集長

私も『チラシの金額と違うじゃないか!』とお叱りを受けたことも。。

通常、家を建てるのに必要な費用は、大きく分けて、建築工事費諸費用の2つです。

さらに建築工事費は建物本体の工事費建物以外の工事費、設計料の3つに分けることができます。
諸費用はそれ以外にかかる、いろいろなお金のことです。

ほとんどの場合、チラシなどに記載されている金額は建築工事費のうちの、「建物本体の工事費のみの場合が多いです。

ちなみに、建物本体の工事費は経費全体の約70%程度といわれています。

この記事では、注文住宅の「費用」について正しい見方を、施主目線でわかりやすく解説します。

この記事では、
✔ 建物費用の全体像
✔ どうやって総額を算出するか
✔ 坪単価と総額の関係
✔ 見積比較のポイント

まで、 失敗しない家づくりのための「お金の見方」 を分かりやすく解説します。

これから家づくりを検討される方が「家づくりのお金の基本」を理解できるように構成していますので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人:芳山(編集長)

ハウスメーカーや建材商社で働き、住宅・建築業界で10年以上、全国の10,000戸以上の家づくりを支援してきました。
「家づくりの迷いや不安をなくし、後悔しない判断をしてほしい。」をモットーに、現場でしか見えない“本音の情報”と“住宅の仕組み”を発信しています。

目次

建築工事費について

建築工事費は建物本体の工事費建物以外の工事費、設計料の3つに分けることができるとお伝えしました。
それぞれの費用について詳しく解説していきます。

費用の70%を占める建物本体の工事費とは

建物本体の工事費「躯体工事費」、「仕上げ工事費」、「設備工事費」の3つから構成されています。
そして、建物本体の工事は、家を建てるための総額の約70%程度を占めているといわれています。

躯体工事費

「躯体工事費」とは基礎、土台、柱や梁、屋根などの住宅の骨組み(構造)をつくるための工事費となります。
躯体はその住宅の耐震性や耐久性などに直結する部分となります。

仕上げ工事費

次に「仕上げ工事費」は床材や壁紙、外壁、キッチンやトイレといった、建物内部と外部の”仕上げ”部分をつくるための工事費になります。

設備工事費

さいごに、「設備工事費」ですが、その住宅で生活するために必要な”設備”を取り付けるための工事費のことです。
具体的には、水道などの給排水設備、コンセントや分電盤などの電気設備、エアコンや換気システムといった空調・換気設備や給湯器などのガス設備といったものを指します。

芳山編集長

地域差もありますが、「建物本体の工事費」の目安としてプロが参考にするのは、住宅金融支援機構の「フラット35資料者調査」や、国土交通省の「住宅着工統計」の資料です。

建物本体以外の工事費

家を完成させて住める状態にするためには、建物本体の工事費以外に、建物本体以外の工事費、設計料、諸費用が掛かります。

建物本体以外の工事費

建物本体以外の工事費用はハウスメーカーや住宅会社によって内容が多少変わりますが、一般的には下記の項目が含まれることが多いです。

スクロールできます
古い建物の解体費建替えの場合に、既存の建物を撤去するために必要な費用。
木造住宅を撤去する場合は、1㎡あたり1~2.5万円前後が相場。
地盤改良工事費建物が傾いたり沈んだりしないように、土地の地盤を補強する工事の費用
外構(エクステリア)工事費庭や植栽、フェンス、門といった、建物の外周りの費用
照明器具設置工事費各部屋の照明器具の取り付け費用
カーテン工事費各部屋のカーテンやロールスクリーンなどの取り付け費用
空調工事エアコンなどの冷暖房機器の配管・取り付け工事や、換気扇などの設置費用
引き込み系の費用電気・ガス・水道、電話・インターネットなどの引き込みなどにかかる費用

設計料

設計料とは、住宅を設計するために必要な専門的作業に対して支払う費用のことです。
建物は単に「柱を立てる」「壁を貼る」だけでは成り立ちません。

✔ 法律に適合しているか
✔ 土地条件に合っているか
✔ 耐震性は確保できているか
✔ 省エネ性能は満たせるか
✔ 補助金を取得できる仕様か
✔ 設備・動線・寸法は成立しているか

これらを建てる前に整理し、形にする必要があるのが 設計業務 であり、設計料を支払う必要があります。

諸費用

諸費用は大きく分けて、地盤調査や外構工事などの「工事に付随して発生する費用」、「登記関係費用」、「ローン・保険費用」、引っ越し費用などの「建替え時に発生する費用」の4つに分けることができます。

また、諸費用は総額の約5%~10%程度といわれています。

坪単価と建物総額の関係

坪単価とは何か?

注文住宅の価格について話すとき、最もよく登場するのが「坪単価」という言葉です。
ハウスメーカーや展示場の営業担当者と話していると
「坪単価60万円前後です」
「うちは坪単価50万円くらいから建てられます」 といった表現をよく耳にします。

しかし、最初に知っておくべきなのは、坪単価は基本的に「建物本体の工事費」を延床面積で割ったものに過ぎないという点です。

例えば、建てようとしている家が
・建物本体の工事費 2,400万円
・延床面積 120㎡ 
の場合、1㎡あたりの単価は、2,400万円÷120㎡=20万円/㎡ となります。

1坪は約3.31㎡なので、
20万円/㎡x3.31㎡(≒坪)=66.2万円/坪
このケースの場合は ”坪単価 66.2万円” となります。

総額の目安は坪単価から算出できる

坪単価は「建物本体の工事費」を延床面積で割ったものに過ぎないため、必要な費用のすべてが含まれているわけではないということは理解いただけたかと思います。

では、建物総額の坪単価はどのように算出するのでしょう。

実は坪単価から建物総額の目安坪単価を計算することは簡単です。

前述の通り、坪単価は基本的に「建物本体の工事費」から計算されています。
そして、「建物本体の工事費」は建物総額の約70%であることから

” 建物総額の目安坪単価 = 坪単価 ÷ 70% ”

このように坪単価を0.7で割ることで簡単に計算することができます。

先ほどのケースの建物ですと、坪単価66.2万円でしたが、建物総額の目安坪単価は、
66.2万円/坪単価 ÷ 70% = 94.5万 となります。

このケースの住宅は36.25坪(120㎡)なので、
94.5万円 x 36.25坪 = 3,425万円 がおおよその総額と予想できます。

このように「建物総額の坪単価」をあらかじめ理解しておくことで、最初に想像していた金額と大きく異なるということは少なくなります。

坪単価はハウスメーカーによって計算方法が違う!?

ここまで坪単価は基本的に「建物本体の工事費」を元に計算するとお伝えしましたが、

実は、ハウスメーカー・住宅会社によって「建物本体の工事費」に加えて、「建物本体以外の工事費」や「諸費用」を坪単価の計算に入れている場合もあります。

なぜ始めから建物本体の工事費に計上しないのか? と不思議に思われるかも知れません。
また、同じ建物の場合、どの地域で建てても同じ金額と思うかもしれませんが、建てる場所や時期、経済情勢(建材の値上がりなど)、家族の暮らし方、こだわる物などによって価格は変動していきます。平地と傾斜地といった土地の条件によっても工事費が変わっていきます。

広告に掲載する坪単価に「建物本体の工事費」に加えて、「建物本体以外の工事費」や「諸費用」を坪単価の計算に入れているケースですが、わたしの経験上、地場(地域に根差した)工務店が多いです。
逆に全国規模のハウスメーカーなどは「建物本体の工事費」のみで計算していることが多いです。
これは、地場工務店の場合、建築するエリアが限定されているため、同じ下請業者に発注できる点や、土地の状況に似ている場合が多いためと考えられます。

安くできるのはどの費用?

これまでいろいろな項目の費用をみてきましたが、みなさんが最も気になるのが、値引きや安くする方法ですよね。

結論からいいますと、細かく安くできる項目はいくらでもあるのですが、100万円以上安くしたいということであれば、「仕上げ工事費」だけが安くできる現実的な項目です。

「躯体工事費」や「設備工事費」に関しては、建物の骨組みだったり、生活をささえる重要なインフラであるため、住宅会社としてもコストを下げることはできません。

「仕上げ工事」に関しては、床材やキッチン、ユニットバスなど、施主自身で決めていく項目が多い費用です。

キッチンのグレードを一つ下げる、無垢のフローリングを一般的なものにする。
といった工夫を組み合わせることでで100万円以上コストダウンすることは十分可能です。

金額の目安を知るためには見積を取ることが一番!

これまで話したとおり、建物金額は坪単価などでおおよそ予想することができます。

しかし、建物の金額は、

  • 建物の構造
  • 断熱材や床材などの仕様
  • 広さ
  • 間取り、プラン
  • キッチンやお風呂などの設備グレード

などで違ってきます。

しかも、同じキッチンを選んでも住宅会社によって何万円も違うというのはよくある話です。
家づくりのお金で損をしないために、一番大切なことは見積を取ることです。

芳山編集長

わたしの経験上、7~8社程度から見積を取った方が多いです。
資料請求自体は20社程度の方が多かった印象です。

見積もりを取ることは基本的にはどこも無料ですし、住宅会社とやりとりをする中で、いい印象の会社もあれば、悪い印象の会社もでてきます。

そうやって地道に探していくことが、満足する家を建てるためには絶対に必要だと、私は思います。

みなさまのより良い家づくりを心より応援しております。

住宅のプロの本音(編集後記)

この記事では「価格の基本構造」についてお話しましたが、
施主の方に意識してほしいのは “見積書を見た瞬間の感覚”
“家づくり全体の価値観” です。

たとえば …
「坪単価だけに騙されてしまう」
「総額に含まれない費用が後から増える」
「同じ仕様でも価格差が出る理由がわからない」
…といった相談は、現場でもいまだにとても多いです。

10,000戸以上の家づくりに関わってきた立場から言わせてもらうと、数字の“比較”だけで判断するのはあまりよくありません。
住宅の価格は単なる金額の比較だけではなく、人それぞれの暮らし方・将来設計・安心感・性能とのバランスによって見え方がまったく変わってきます。

費用は当初より上がったけど、耐震性が上がったのでこれからは安心して暮らしていけるなど、本当に良い家づくりとは、あなたの暮らしにとって最も価値のある選択をすること です。

“どんな家を建てたいか”
その視点を持つことが最も重要なことです。

ただ、同じキッチンやお風呂でも、住宅会社によって何万円も金額に違いがあることは事実です。まずは、色々な住宅会社に資料請求をし、見積を取り、内容を精査することが重要です。

住宅会社からすれば、見積で終わるなんてことは日常茶飯事なので、「申し訳ない」と感じる必要はありません。
営業担当もほとんど気にしていません。

これから家づくりを進める皆さんにとって、
この記事がその“視点の一助”になれば嬉しいです。

ともだちにも教えよう!
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